行 持 下 「 頭を飜じて尾と作す 」
- 2021/01/05
- 10:11
正法眼蔵 行 持 下
「 頭を飜じて尾と作す 」
況 i-wa んや無始従り以来
是れ曾 katu て
経歴せざるにあらず
又是れ次第を知らざるにあらず
頭 ko-be を飜 hon じて
尾と作 na すに過 sugi ず
( 多くの輪廻転生の中
( 私達は利と名に
( つき動かされて来ました
( 本来、欲望や不安は
( 未来→今、と言う
( 逆向きの時間を通って
( 私達に到来しています
( それらは選択肢の一つなのに
( 私達を規定し
( 揺り動かす原動力へと
( 反転しているのです

( 「 鏡 」 は来たものを反射します
( 猫に小判、馬耳に念仏
( 猫や馬さんは
( 小判や言葉を受け止める
( 「 鏡 」 をお持ちでないので
( 小判や言葉はすり抜けて行きます
( 芙蓉道楷禅師 1042 ~ 1118
( が、坐を通して作られた 「 鏡 」
( これは何を映す鏡なのか
( 過去から今に流れて来る時間
( 未来から今に流れて来る時間
( この二つの時間に対し
( 精神が真上から、物質が真下から
( 垂直に交わります
( この 「 鏡 」 は十字架であり
( 一点に光を集める
( 「 球 鏡 」 とも言えます
( 全球の 「 鏡 」 です
( 全方位へ視線を向けたとします
( 視線は世界の彼方で反転し
( 今ここへと戻って来ます
( 観察する、これが観察される
( 見られる、に反転します
( 全球から向けられた視線
( とても、耐えられません
( 反転する前は自分の視線なのにです
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