行 持 「 王 宮 」
- 2020/08/27
- 09:52
正法眼蔵 行 持 下
「 王 宮 」
いづれの生縁か王宮にあらざらん
いづれの王宮か道場をさへん
このゆゑに、かくのごとく西来せり
( どのような状況
( どのようなカルマの嵐にあっても
( ここを王宮とする事が出来ます
( この王宮こそ私達が求める道場です
( これを伝えるため
( 菩提達磨大師は来られたのです

救迷情の自己なるゆゑに
驚疑なく、怖畏 hu-i せず
救迷情の遍界なるゆゑに
驚疑せず、怖畏なし
( 迷情を救う、これが
( 自己の最終使命です
( それゆえに
( 疑いや怖れを超えでています
( 迷情を救う、そのように
( 万象がうながします
( それゆえに
( 疑いや怖れが起きようがありません

ながく父王の国土を辞して
大舟をよそほうて
南海をへて広州にとづく
使船の人おほく、巾瓶の僧
あまたありといゑども史者失録せり
著岸よりこのかた、しれる人なし
すなはち梁代の普通八年
丁未歳 hinoto-hituzi-notosi 九月二十一日なり
( 父王の国に別れを告げ
( 大船を整え
( 南海を経て広州に到着します
( 乗船の人は多く
( 大師に随う僧も多数おられました
( この日の事を歴史家は記録していません
( 着岸から後の事はみな知りません
( それは梁の時代の
( 普通八年(527年)
( 九月二十一日のことです

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