行 持 下 「 便りを著けず 」
- 2021/01/24
- 08:47
正法眼蔵 行 持 下
「 便りを著けず 」
山僧 san-so 、今日
諸人の面前に向かって
家門を説く、已 sude に
是れ便りを著 tu けず
( 私 ( 道元禅師 )は、今日
( 先人達がどのように
( 修行されたかを述べました
( しかしこれも余計なことと言えます

( 時間も空間も
( 広大無辺に見えます
( でも実は
( 内に閉じた一つの玉
( 一つの宝鏡だとします
( 世界の端ては
( 宇宙の彼方ではなく
( この身の皮膚裏だとします
( 宇宙の中心は
( 腰腹中央だとして
( 宇宙の端てまで行くのに
( 幾億光年もかかりません
( 一息一気で到達出来ます
( 素晴らしい先人の業績を学んでも
( 広大な宇宙のしくみを学んでも
( 「 他はこれ、我にあらず 」
( 自己を全うすることが
( 面壁坐禅の本懐ゆえに
( 家門を説くことも
( まったくもって余計なことと
( 言えるでしょう
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