行 持 下 「 くろき袈裟 」
- 2021/03/15
- 11:24
正法眼蔵 行 持 下 「 くろき袈裟 」

紫衣師号 si-e si-go を表辞するのみにあらず
一生まだらなる袈裟 ke-sa を搭 ta せず
よのつねに上堂、入室、みな
くろき袈裟、裰子 to-su をもちゐる
( 私の師である
( 天童如浄禅師 1163-1228 は
( 帝王から賜る紫衣や
( 師号を辞退しただけでなく
( 日々の説法や、個人指導でも
( いつも黒い袈裟と
( 破れた衣服を縫い合わせた
( 質素な衣を着ておられました
衲子 no-su を教訓するにいはく
参禅学道は、第一 有道心、これ学道のはじめなり
この二百年来、祖師道はすたれたり、かなしむべし
いはんや一句を道得 do-toku せる皮袋 hi-tai すくなし
( このように述べられました
( 参禅学道は、何より道を求める心が大事です
( これが学道の始まりです
( この二百年、祖師道は廃れてしまいました
( 仏道の一句を述べる者が少ないのです
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