谿声山色 5 「 法衣を塔 ta して 」
- 2021/04/21
- 07:01
正法眼蔵 谿声山色 5
「 法衣を塔 ta して 」
居士、あるとき
仏印 bu-tin 禅師 ( 了元ryo-gen和尚 ) と
相見 syo-ken するに
仏印 bu-tin さづくるに
法衣 ho-e 仏戒等をもてす
居士つねに
法衣を塔 ta して修道しき
( あるとき、仏印禅師は
( 東坡居士へ袈裟仏戒を授けます
( 東坡居士は、常にその袈裟を戒めとします
( 「 法衣を塔 ta する 」 とは、どんな意味でしょう
( 「 塔 」 は
( 梵語の「 卒塔婆 so-[to]-ba 」 の略です
( 卒塔婆は仏舎利 ( 釈尊の遺骨 ) を納めた建物のこです
( 「 法衣(袈裟)を塔 ta する 」 は
( 袈裟を身に掛ける、ではなく
( 「 身を袈裟に掛ける 」 となります

( ポールハンガーに
( コートを掛けるように
( この身を袈裟に掛ける
( これに何の意味があるでしょう
( 勘を働かせ、想像力を使えば
( 釈尊に直接面談したなら
( その圧倒的な沈静力がうつって
( こちらも強制沈静することは明らかです
( 悲劇に直面した方の涙に涙し
( 歓喜に踊る心に、知らず破顔す
( ごく普通の日常と言えます
( 袈裟に身をかけて坐す、威儀を正す
( 釈尊に2mの距離でお会いしたら
( 圧倒されてしまう、これは明らかです
( それが、さらに距離が縮まり
( その遺骨(袈裟) とは言え
( 釈尊が直接触れるわけです
( ポールハンガーに
( 掛けられたコートが黙するように
( この身心が沈静寂滅するは明らかです
.