谿声山色 6 「 聞谿 mon-kei 悟道 go-do の因縁 」
- 2021/04/23
- 11:13
正法眼蔵 谿声山色 6
「 聞谿 mon-kei 悟道 go-do の因縁 」

居士、仏印にたてまつる に
無価 mu-ge の玉帯 gyoku-tai をもてす
ときの人いはく
凡俗 bon-zoku 所及 syo-gyo の儀にあらずと
( 仏印 bu-tin 禅師 ( 了元ryo-gen和尚 ) は
( 蘇東坡 [ 東坡居士 1037 - 1101 ] へ
( 袈裟を授けます
( 蘇東坡はそのお礼として
( 玉飾りの帯を献上します
( 人々はこれを聞いて
( 普通ありえない事だと賞賛しました
しかあれば
聞谿 mon-kei 悟道 go-do の因縁
さらにこれ
晩流 ban-ru の潤益 zyun-yaku なからんや
あはれむべし、いくめぐりか
現身 gen-sin 説法 se-po の化儀 ke-gi に
もれたるがごとくなる
( 東坡居士が谿声を聞いて
( 悟道したという因縁
( これが後進の私達に
( 大きな潤いをもたらさない
( と言うわけがありません
( 残念な事は
( 私達がこの谿声山色を
( この身に受け止めず
( 自分の外界のまま感知し
( 自分の内へ取り込まないこと
( 聴き漏らしてることです

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