谿声山色 7 「 舌相も懈倦 ke-gen なし 」
- 2021/04/25
- 21:43
正法眼蔵 谿声山色 7
「 舌相も懈倦 ke-gen なし 」

なにとしてかさらに
山色を見、谿声をきく
一句なりとやせん、
半句なりとやせん、
八万四千偈なりとやせん
( では、山色を見、渓声を聞くとは
( どのような事でしょうか
( 一句として、半句として
( あるいは八万四千の偈として
( 受け止めるでしょうか
うらむべし
山水にかくれたる声色 syo-siki あること
又よろこぶべし
山水にあらはるる、時節因縁あること
舌相も懈倦 ke-gen なし
身色 sin-siki あに存没 zon-motu あらんや
( 残念なことに
( 谿声山色はその身を
( 隠しています
( 希望は、谿声山色が現れる
( 時節因縁があることです
( 谿声山色が怠ることはなく
( 生滅を知らず、変化を生きてます
しかあれども
あらはるるときをや
ちかしとならふ
かくれたるときをや
ちかしとならはん
( でも、谿声山色は
( 垣間見れたり、姿を消したり
( 近いのか遠いのか
( 私達は本当に繋がってるのでしょうか
一枚なりとやせん
半枚なりとやせん
従来の春秋は
山水を見聞 ken-mon せざりけり
夜来の時節は
山水を見聞することわづかなり
( 東坡居士は
( どうだろうか、こうだろうか
( これまで春秋は
( 己を明かしてくれませんでした
( その夜は特別でした
( わずかでしたが
( 谿声山色は己を語りだしたのです
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