谿声山色 13 「 自己のおのづから自己にてある 」
- 2021/05/11
- 06:50
正法眼蔵 谿声山色 13
「 自己のおのづから自己にてある 」
長沙 tyo-sya 景岑 kei-sin 禅師に
ある僧とふ
「 いかにしてか
........山河大地を転じて
........自己に帰せしめん........」
師いはく
「 いかにしてか
........自己を転じて
........山河大地に帰せしめん........」
( ある僧が
( 長沙景岑禅師に尋ねます
( どうすれば山河大地を
( 我がものに出来るでしょうか
( 師は答えます
( この身を、どのようにすれば
( 山河大地の所有へ戻せるだろうか

いまの道趣 do-syu は
自己のおのづから自己にてある
自己たとひ山河大地といふとも
さらに所帰 syo-ki に
罣礙 kei-ge すべきにあらず
( この言葉の意味はこうです
( 自我は、それ自体に根拠を有しています
( それ自体に根拠を有している
( それゆえ自我(自己) といいます
( 身体が山河大地に帰しても
( 失われる事はありません
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