正法眼蔵 谿声山色 37
「 浄心一現 」

浄心一現するとき
自他おなじく転ぜらるるなり
その利益 riyaku
あまねく情、非情にかうぶらしむ
( 坐して裸の魂が
( 過去の現実と向き合う時
( 後悔や恥ずかしさを通り越し
( 氷つくような火に焼かれるよう感じます
( 幾千度の高温とマイナス何十度の低温が
( 同時に襲って来るようです
( 一見恐ろしく感じます、でも
( 踏ん張って立ち続けられると気付きます
( この氷火は
( これまで経験して来た業火と違い
( 魂をずたずたにするんじゃなく
( 集約して鎮火するような
( そんな性質をお持ちだと
( 予感出来るからです
.