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行 持  下  「 身毛の寒怕 」



正法眼蔵 行 持  下
 「 身毛の寒怕 」

遅明のよるの消息
はからんとするに
肝胆もくだけぬるがごとし
ただ身毛の寒怕 kan-ha
せらるるのみなり

 ( 夜明けの遅い厳冬の夜
 ( そこに見捨てられたように
 ( 二祖慧可大師が立っています
 ( すべてが砕け散るような
 ( そんな思いだったはずです
 ( 身が凍り付くのを
 ( 悲しく自分で見ておられた



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 ( 身体が雪夜の中
 ( 凍り付いて死んでゆきます
 ( この身体って
 ( 一体何なんでしょうか?



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 ( 死んだら土に帰る
 ( と言われてますが
 ( 生きてる時もこの身体って
 ( 土・物質? って言えるのでしょうか
 ( でも、冬飯の湯豆腐と
 ( 私達の身体はちょっと違う



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 ( 湯豆腐と身体との違い
 ( それって
 ( 私達の心魂や精神が宿ってるから ・・
 ( だとすると、死とは何なのか
 ( これに一つの仮説が立てられます



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 ( 死とは
 ( 私達の心魂や精神が宿り
 ( 関わった、土・物質との別れだと


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 ( 私達の心魂や精神が宿ってない
 ( 床に落としちゃった湯豆腐は
 ( あっ、もったいない!と思えど
 ( 身体との別れとは違います


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 ( 元々も、今々も
 ( 身体は土・物質に他ならない
 ( でも、土・物質なのに貴く思えます
 ( 何故なのか、疑問になります



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 ( 芸術家が作品を
 ( 我が子のように大事に思う
 ( 仕事人がこれまでの仕事に
 ( 誇りを持ってる
 ( アスリートがこれまでの業績を
 ( 貴く思える
 ( それは自分自身ではないけど
 ( 「 自分そのもの 」 に感じます



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 ( 坐禅、その聖十字で
 ( 自分を標本の蝶のようにします
 ( 一方を固定して
 ( シールを台紙から剥がすように
 ( 私達はほんの少し
 ( 身体から離れられます
 ( 離れて見る身体って、どう映るでしょう



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 ( それは土・物質のよう、ではなく
 ( 自然の進化の中で
 ( 「 自然に 」 そうなった、でもなく
 ( 神々?と言うような
 ( 宇宙の神霊?のようなものが
 ( 崇高な理念を働きかけて創作された
 ( そう、感じるかも知れません



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 ( 同時にその造形維持には
 ( 誕生前から綿々と続く
 ( 個人的な生きた思考
 ( 死んでない過去の記憶表象
 ( 業と呼ばれてるものが造形力として
 ( 土・物質の形成維持に関与してる
 ( それも明らかになるはずです



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 ( これって不思議な反転展開です
 ( 身体の中に深く入ってると
 ( 身体の造形の背景は不明で
 ( この身を蝶の標本のようにして
 ( この身から離れると
 ( この身が今の自分を超えた
 ( 創造物である事が開示される



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 ( 幾つになっても身体は
 ( 新陳代謝して刷新されてる
 ( としますと
 ( 今ここにある身体の造形って
 ( 宇宙の神霊?のようなものと
 ( 過去世からの不明の業
 ( この二つが今も、ここに働きかけてる
 ( ってなります



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 ( 「 生かされてる 」
 ( これが明らかになる時
 ( 良いこと? が明らかになり
 ( 同時に手の負えないもの
 ( それも明らかになっちゃう
 ( これって、手の負えないものと
 ( 向き合える準備が整わなければ
 ( 良いものに 「 生かされる 」 も
 ( 開示されないだろう、とも読めます



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 ( 坐禅で聖十字を描き
 ( 身体を蝶の標本のよう固定する
 ( まったくばかげたお話しです
 ( しかし、そのぐらいの勢いで
 ( 精神力を発揮しなければ
 ( 過去世から続く
 ( 生きた記憶表象と向き合えない



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 ( 「 生かされてる 」
 ( これは美しい言葉です
 ( でもそれが現実として現れるには
 ( 悪霊?邪悪な不成仏霊?
 ( そんな身の毛も凍るような
 ( そんな存在に立ち向かい
 ( なだめ温め解放して上げる
 ( 火の玉のような精神力が必要とされる



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 ( そして、そんなもの
 ( どこにあるんですか?です
 ( それは、坐禅の聖十字
 ( その中心を射らんとする時
 ( その火の一矢の中
 ( 朝日のように現れるだろう
 ( って展開します
 ( 達磨大師、二祖慧可大師
 ( その後の祖師方が
 ( 面壁坐禅を尊んだわけが
 ( ここに読み解けます




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