行 持 下 「 神色儼然 」
- 2020/11/22
- 07:56
正法眼蔵 行 持 下
「 神色儼然 」
貞観 zyo-gan
癸卯 mizuno-to の歳
太宗 tai-so
師の道味 do-mi を嚮 to-to び
風彩 fu-sai を瞻 mi んと欲して
赴京 fu-kyo を詔 syo す
( 唐の貞観十七年 [643年]
( 時の太宗皇帝は
( 大医禅師の威風を聞き及び
( 実物に会ってみたい衝動にかられ
( 都へ来るよう招聘します

師、上表遜謝 zyohyo-sonsya
すること前後三返なり
竟 tui に疾 situ を以て辞す
( 大医禅師は書をもって
( 三度お断りし最後は
( 病気を理由に断ります

第四度
使 tukai に命じて曰く
如 mo し果 hata して
赴か不んば、即ち首を取り来れ
使、山に至って旨 mune を諭す
( 太宗皇帝は
( 四度目には使者に命じます
( どうしても来ないなら
( その首を持って来るように
( 使者は禅師の山に至り
( その旨を伝えます

師、乃 sunawa ち
頸 kubi を引いて刃に就く
神色儼然 sinsyoku-genzen たり
( これに対し大医禅師は
( その一刀を神妙に
( 受け入れようとします
( その姿は神の如くでした

使、之 kore を異とし
廻 kae りて状を以て聞 mon す
帝、弥加 iyoiyo 歎慕 tan-bo す
珎繒 tin-so を就賜 syu-si して
以て其の志を遂 to ぐ
( 禅師が使用している自我は
( 普通の自我ではない
( 使者には、それが明らかです
( 切ることが出来ず、帰路に着きます
( 君命に反したので
( こんどは自分の首が飛びます
( 使者は登城せず
( 書状をもって状況を報告します
( 太宗皇帝はその行間から
( 大医禅師の威風を実感します
( またこの使者が
( 四度、大医禅師に会って
( 身命を超えた強さを得たことに驚きます
( 太宗皇帝は、それをよしとし
( 貴重な絹織物を贈り、返答とします
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